

AISのカリキュラムにおいての『ハイタッチ・ハイテック』教育とは
ハイタッチ・ハイテク教育とは、高い感性と高い技術・知識を習得することです。また、その習得した感性と技術・知識を用いてさらに高い感性と高い技術・知識を習得していくという、学習の形態と学習のプロセス及び能力のステップアップを表したもので、AISの特に初等部の児童生徒がAISの教育理念及びカリキュラム目標を実現していくために必要な教育指針として考えられたものです。通常この用語はビジネス業界の中で用いられることが多いのですが、AISでは「ハイタッチ・ハイテク」に独自の解釈を加え、この「ハイタッチ・ハイテク」こそが学校教育のなかで培われるべきものであり、生涯を通じて発達させるべき能力を身に付けるキーワードとして用いています。
ハイタッチ(High Touch)とは感性や人間的なふれあいを示す用語であり、「個性」または「人間力」との表現される概念とほぼ同一の意味を示しています。
AISでは児童生徒があらゆる事象から自分なりの何かを深く感じ取ったり、感動するといった極めて人間的な感覚である感性を豊かにし、目に見えるもの以上の何かを得ることができることが重要であると考え、これを「ハイタッチ」という言葉に託しています。例えば、想像力を用いて読書を楽しむ、物語の登場人物の心情を深く理解する、学んだことを自身の人生に反映させる、言語そのものの美しさに気付く、自然に感動する、歴史的な人物の心情を考える、体を感情のまま動かす、芸術作品について感動する、自分の感じたことを表したいという欲求、家族や自分の周りの環境をいと愛おしく思うこと、などといったもので、これらは主に目に見えないものであるが確かに存在するものであり、人間の生活をより人間らしくし、より豊かなものへと導いているものともいえます。また、内発的な動機付けに導く原動力ともなっているものです。
ここで示しているハイテク(High Tech=High Technique)とは、学習及び生活の中で使われる技術的・知識的なものであり、例えば計算の速さや正確さ、漢字の読み書き、語彙の正確さや習得量、理科の用語理解、歴史的事実の認識、地名に関する知識、運動を正確に行うこと、スポーツのルールを理解すること、技法を用いて絵を描くこと、楽譜が正確によめること、美術史や音楽史に関する知識があること、料理がテキスト通りに作れること、洋服の型紙がおこせることなどで、主に目に見える形で現れ、その知識量や技術用途が明確なものです。これらは、学校教育においては基礎学力という言葉で使われ、AISにおいても重視しているものです。
ですが、AISでは基礎的なレベルの技術や知識ではなく、さらに高いレベルの技術・知識(AISではこれを「ハイテク」と示します)を身に付けるために必要となるものが、前述した「ハイタッチ」であると考えているのです。
このように「ハイタッチ」も「ハイテク」も教育の中で重要なものですが、ともすれば、この二つのバランスは崩され、どちらかに偏っている傾向があります。特に、従来の学校教育においては「ハイテク」の部分の成果のみが学習の結果として扱われ、主な評価の対象となってきてきています。これは、「ハイタッチ」の部分は目に見えて明らかなものではなく、主観的なものとなりやすいため、評価することも困難であることが理由として考えられています。そのような理由で、やはり「ハイタッチ」だけもしくは「ハイテク」だけで進歩することには限界があります。
例えば、より高いレベルの読書をするには難しい漢字を読むことや高い語彙力(=ハイテク)が必要となってくること、他人に何かを感じさせる絵を描くには技術だけではなく何か訴えるもの(=ハイタッチ)が絵に内在していることが必要となってくること、数学や自然科学の分野において既存の法則や理論(ハイテク)から新たな法則や理論を見いだすためには想像力や創造性(ハイタッチ)などの目に見えない要素が必要となる、などに代表されるように、「ハイタッチ」だけでも「ハイテク」だけでも限界があり、高い感性はより高い技術を必要とし、高い技術はより高い感性を必要とし、これら相互を求め合い、共に向上していくことによって、人間として総合的に豊かな能力を身に付けることになります。
バランスを欠かずに、ステップアップしていく方法はこの両方をより高次に身に付けていくことです。「ハイタッチ」の部分は見えにくいものであっても、児童生徒がアウトプットする事象すべてにおいて、「ハイタッチ」の作用を見いだすことができるはずで、AISでは評価の際にも「ハイタッチ」と「ハイテク」の両視点からみていきます。
このような考えから、AISでは「ハイタッチ・ハイテク」をキーワードに学校内の教育活動を展開していきます。「ハイタッチ・ハイテク」はAISのカリキュラムの実行方法を導く指導指針の柱です。